美味しいものに出会える本

美味しい料理やスイーツが登場する小説、エッセイ、漫画本をご紹介します。たまにレシピも♪ アドセンス及びアフィリエイト広告を利用しています。

スープ作家のエッセイ本「こうして私は料理が得意になってしまった」有賀薫~鹹豆漿

「こうして私は料理が得意になってしまった」有賀薫 大和書房

 

有賀薫さんは息子さんを朝起こすためにスープを毎朝作り始めたことからスープ作家として雑誌やネット、テレビ、ラジオなどに発信して人気になった方です。

『帰り遅いけどこんなスープなら作れそう』(文響社)で、第5回料理レシピ本大賞入賞。

私も有賀薫さんのレシピ本持ってますが、簡単でさっと作れて美味しいので結構活用しています。

スープってちょっと一品欲しい時に重宝するんですよね。

 

そんな有賀薫さんの日常の食卓の様子や毎日のご飯作りのヒントが詰まったエッセイ本です。読み物としても面白いし、簡単なお料理のレシピもついていて、エッセイを読みつつ材料さえあれば今晩のおかずのヒントも貰えます。

お料理の話もさながら、有賀薫さんご自身が使っている調理器具の話が興味深いんです。

 

「にんじんしりしり器は、なぜ人にすすめたくなる道具なのか」

 

「にんじんしりしり」は沖縄の郷土料理。こちらを作るときに使う道具です。

えっ?にんじんしりしりを作るためだけの道具???それって必要なの?ってちょっと思っちゃいますよね。


この器具、千切り用スライサーなのですが、実はよく切れない。そのため切り口がギザギザして形も不ぞろいなんだけど油や味の染み込むがよくて美味しくできるそうなんです。

楽天市場で検索してみると意外にもレビューが好評でにんじんしりしり以外にもキャロットケーキがふんわりと焼き上がるのでキャロケ好きにはお勧めなのだとか。

 

でも有賀さんのこの器具のお勧めポイントが使い勝手はともかく「しりしり器」というネーミングなんです。

 

でも、すすめたくなるいちばんの原因は「しりしり器」という、口にするとどことなく快感のあるネーミングではないでしょうか。沖縄では千切りのことを「しりしり」と言うらしいのですが、これはこのしりしり器で野菜をおろすと、しりしり、しりしり、と音がするんですよね。私が何かにつけ、にんじんしりしり器っていう道具があってね・・・と人にしりしり器をすすめているのは、そんな他愛ない理由からなのです。

「こうして私は料理が得意になってしまった」より引用

 

と語ってますが、でもやっぱりしりしり器で作ると美味しいんでしょうね。

木の枠のレトロな感じもお洒落で、飾っておくだけでも素敵だから私も購入考え中なんです。

 

 

そしてもう一つ「すくいちゃんの話」に出てくる柳宗理のレードル。
こちらのお話はすくいちゃんというのは「レードル」のことで、すくいちゃんの視点で持ち主の有賀薫さんとの出会い?や生活を述べていて、それがまた面白いのだけど、「小さいタイプだと、小さいカップにもスープが美しく注げます」との文で一気に購入意欲が沸き上がってこちらも購入検討中。

 

 

他にも道具や食器の選び方、収納方法なども参考になる事ばかりです。

 

本の中の美味しい料理

それぞれのエッセイの最後には簡単なレシピが記載されていてます。
気になったのが「台湾、スープ天国」の中の「鹹豆漿(シェンドゥジャン)」
家族旅行で台湾に行って、街中のスープを食べ歩いた時のお話しに「鹹豆漿」が出てきます。

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鹹豆漿はあたたかい豆乳に味をつけるためにたれを少し加えます。この中に酢が入っているのか、かき混ぜているうちに、豆乳がふるふると固まりはじめます。文字だけだと想像しづらいかもしれませんが、まろやかでありながらさっぱり食べられて、いかにも体によさそうな味がします。
~中略~
台湾の人は油條(ヨウティアオ」)と呼ばれる揚げパンや、パイや饅頭みたいな点心を食べながらこの豆乳を飲むのです。日本にはないスタイルです。

「こうして私は料理が得意になってしまった」より引用

 

作り方は簡単だけどどんな味になるのか想像がつかなかったので作ってみました。

 

台湾の朝をはじめる鹹豆漿 レシピ

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(1人分)

1.スープの器に酢小さじ2,しょうゆ小さじ1を入れておく。
2.別の耐熱容器に豆乳200㎖と桜えび小さじ1,ザーサイ10gを細切りにして入れ、600Wの電子レンジで1分半~2分ほどあたためる。

3.あたためた豆乳を1の器に注ぎ、スプーンで軽く混ぜ、固まりはじめたら刻んだ青ねぎをトッピングする。好みでラー油などの調味料、具材を追加して食べる。

「こうして私は料理が得意になってしまった」より引用

 

レシピに忠実に作ってみました。
お豆腐のように固まるのではなく、ボロボロっとおぼろ豆腐のような感じ。
あれっ?これでいいのかな?

検索してみるとやはり茶碗蒸しの様に固まるのが正解のよう。

レシピには軽く混ぜると書いてあるけれど、混ぜない方が固まるみたい。

また豆乳も調整豆乳を使ったけどこちらもどうやら無調整豆乳がいいとのこと。

 

でもお味の方桜えびとザーサイがいい味を出すのか豆乳に旨味が加わった絶妙な味わいになります。

まあこれはこれで体に優しいスープという感じで美味しくいただけました。
初めて食べる味なんだけどなんか癖になるというか、体が欲する味というのか・・・。

ちなみに私は青ねぎ、ラー油、バケットをトッピングしましたがパクチーがあればもっと台湾に近づけたかも。

 

ちなみにカルディやコストコでは鹹豆漿の素が売られていますので、本場の味を知る意味でも買ってみようと思います。勿論パクチーは必ず入れて!!

 

 

www.kaldi.co.jp

まとめ

スープって特に食欲がない時にとてもありがたいメニューなんです。そんなスープに着目した有賀薫さんは予想通り家族思いな方。有賀さんの日常の風景も垣間見れて尚且つ有賀さんの経験からの知恵がたくさん詰まったエッセイ集になっています。

スープのレシピ本と共に一読されてみてはいかがでしょうか。